2019/08/10 14:16

ぽんちゃん!さんによる写真ACからの写真

正解は・・・『レノックス!』
『え?はぁ?』ってなりました?w

食器ブランドといえば・・・、パッと思い浮かぶのは、
ロイヤルコペンハーゲン、ウェッジウッド、アラビア、イッタラ、マイセン・・・など。
ナルミ、ノリタケもありますが、ヨーロッパメーカーが出やすいのではないでしょうか?

ちなみに、アメリカの食器ブランドは?
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんだっけ?』
そう、なかなか思い浮かばないかも知れませんね。

今回はそんなパッと出てこないアメリカの食器ブランドの一つ、『レノックス』のお話しです。


この『レノックス』、実は、世界屈指の歴史を持つ陶器メーカーとして知られているんですよね。
誕生したのが1889年。今から130年前。
アメリカ ニュージャージー州の陶工『ウォルター・スコット・レノックス』によって設立されました。

ウォルターは、1859年 ニュージャージー州トレントンという町に生まれたのですが、
この町は200以上も工房がある全米をリードする陶器の町だったようです。
陶器に囲まれて育ったウォルターは、いつしか、

『俺は陶器王になる!』

とは言ってないと思いますがw、世界一の陶器を作ることに生涯を捧げる決意をしました。

そんな彼が設立した『レノックス』、ほかのどの工房とも異なっていました。
陶器工場であれば、一連の商品群を揃えて数を販売するのですが、
『レノックス』は、まさに『アートスタジオ』。
光沢のあるアイボリーの土で、1点もののアート作品を生み出していきました。
しかもわずか18人の手によって。

このアートスタジオで作られる陶器の美しいフォルムと見事な彩色がしだいに注目を集め、
徐々に著名なショップの店先を飾るようになり、スミソニアン・インスティチュートに展示されるまでになりました。
そして、この象牙色の艶のある美しい陶器は、『レノックス・チャイナ』と呼ばれ、
1916年、ついに、ニューヨーク五番街にある『ティファニー』の店頭に飾られるまでになったのです!
その美しさは瞬く間に話題になり、当然全米から大注目されるようになります。

するとさらに!
時の大統領、ウッドロウ・ウィルソンが正餐用の食器に『レノックス』を指名し、
なんとホワイトハウスのテーブルを飾るまでになりました!
まさにアメリカの『陶器王』になったのです!
それは『ティファニー』の店頭に飾られてから2年後のことでした。
ニュージャージー州から全米に広がった『レノックス』
ニュージャージー州知事から大統領になった『ウィルソン』
なんかご縁みたいなものがあったんでしょうかね♪

そして今日では、ホワイトハウスをはじめ、世界300以上のアメリカ大使館で使用され、
メトロポリタン美術館など多くの美術館、博物館で展示されています。
年代物のレノックスは高級品です。
また数々の賞も受賞しています。

『よそ行きのいい食器』っていう感じで、全米の多くの一般家庭でも愛されています。

日本ではまだまだ馴染みのない『レノックス』かも知れませんが、
ウォルターのこだわりが詰まった『レノックス』。
僕は好きです♪